地理の授業などで、なんとなく名前を聞いたことのある「エアーズロック」。
正式名称は「ウルル」と呼ばれ、オーストラリアのほぼ中央に位置する世界遺産です。
写真や映像で目にすることはあっても、実際に訪れる機会はなかなかないと思っていませんか?
実は、メルボルンからなら飛行機で約3時間半。
思っているよりも気軽にアクセスでき、工夫次第で意外と手の届く旅になります。
訪れば、絶景だけでなく先住民の文化も学べる、特別な体験が待っています。
今回、私はメルボルンから1泊2日のプランでウルルを訪れました。
日の入りと日の出で刻一刻と色を変えるその姿は、写真で見るのとは段違いの感動で、まさに未知の世界に踏み入れたような感覚。
さらに先住民の人々がこの地をどのように大切に守ってきたのかを学び、短いながらも濃密な時間を過ごすことができました。
この記事では、ウルルへの行き方・費用感・おすすめの1泊2日モデルプラン・ツアー情報を、私の実体験を交えて詳しく紹介します。
「人生で一度は行ってみたい」と思っている方に、現実的にプランを立てられるような内容になっていますので、ぜひ参考にしてみてください。
きっと行ってよかったと心から思える旅になるはずです。
メルボルンからウルルへのアクセス方法
メルボルンからウルルへ直行便でアクセス

ウルルの玄関口となるのは「エアーズロック空港(AYQ)」。
メルボルンからはカンタス航空やジェットスターが直行便を運航しており、フライト時間はおよそ3時間半から4時間程度です。
到着すると、そこはもう赤土の広がる荒野。
空港を出た瞬間から、まるで別世界に来たことを実感できます。
特に、学生やワーホリでメルボルンに滞在している人にとっては、この手軽さは大きな魅力です。
日本からだと長時間のフライトと乗り継ぎが必要になりますが、メルボルンからなら飛行機一本。
週末を利用しても十分に行ける距離感なので、人生に一度は訪れるべき、ウルルを観光する絶好のチャンスだと思います。
今回はExpediaという予約サイト経由でJetstarのフライトを予約しました。
公式サイトより安く取れましたが、価格は時期によって変動するため、複数サイトを比較して探すのがおすすめです。
メルボルンの空港には早朝に着いたので、少しだけ腹ごしらえ。
個人的にこういう海外のサンドウィッチが大好きです。

日本からウルルへ行く場合

日本からウルル・エアーズロックへの直行便はありません。
そのため、シドニー・メルボルン・ブリスベンなどの主要都市で乗り継ぎが必要になります。
フライト時間は、東京からシドニーやメルボルンまでが約10時間前後。
そこから国内線に乗り継いでウルル(エアーズロック空港)へ向かうと、さらに3時間ほどかかります。
乗り継ぎ時間を含めると、合計でおよそ13〜15時間程度を見込んでおくと安心です。
そのため、日本から旅行で訪れる場合は、シドニーやメルボルン観光を組み合わせるプランがベストだと思います。
オーストラリアの都市部と世界遺産ウルルを一度に楽しめる、という魅力的な旅程になります。
Kazukiウルルに訪れるならオーストラリアの冬(7月〜9月頃)がおすすめ。
気温は25℃前後と快適で、乾季にあたるため天気が崩れる心配も少なく観光しやすかったです。
夏は日中の気温が40℃近くまで上がるうえ、ハエが大量発生することで有名です。ツアー会社でも「ハエよけネット持参」が推奨されるほどなので、初めて訪れる方には冬が断然おすすめです。
ウルルの宿泊事情|エアーズロックリゾートとおすすめの宿


ウルルを訪れる際にまず押さえておきたいのが「宿泊事情」。
ウルル観光の拠点である、ユララ(Yulara)の宿はエアーズロック・リゾートにほぼ集約されています。
リゾート以外の個人利用できる宿は限られており、基本的にはこのエリアに泊まる前提で旅程を組むのが現実的です。そのぶん観光拠点としての利便性は抜群で、空港からも近く、ここに泊まれば滞在がスムーズに進みます。
空港からリゾートまでは、AAT Kingsが運行する無料シャトルバスが利用可能です。
しかも予約は不要で、空港の到着ロビーを出ると案内があるので安心です。
複数の宿間と空港を巡回しているため、どのホテルに泊まる場合でも移動に困ることはありません。
ただし、このリゾートからエアーズロックへのアクセスは限られているため注意が必要。
個人でレンタカーを利用する方法もありますが、効率よく見どころを回るにはやはりツアーに参加するのが良さそうでした。


格安の宿なら、OUTBACK HOTEL AND LODGE


今回の旅は5人で行きました。大学生ということもあり、高級ホテルへの宿泊は現実的ではありませんでした。
そこで、エアーズロック・リゾートの中で最安帯の宿泊施設である Outback Hotel & Lodgeに宿泊しました。
ここはドミトリー形式で、一番安いプランは横長の部屋に二段ベッドが並んでいるだけのシンプルな造り。
それでも一人あたり約40AUD(4,000円程度)で宿泊できるのは大きな魅力です。
プライバシーはほとんどありませんが、一応鍵付きのロッカーが一人一つあるので安心。
少し予算を上げれば個室も予約可能で、大人数で行くなら個室の方が断然快適に過ごせます。
代理店等からの宿の予約もできるとは思いますが、個人的には空室状況や最新の料金情報が見られるので、直接AYERS ROCK RESORTの公式ページから予約するのがおすすめです。
宿泊体験記:Outback Hotel & Lodgeでの一夜


結論から言えば、観光がメインでホテルに長居はしなかったので、このリーズナブルな宿で十分でした。
清潔で快適、食事もオーストラリアらしい体験ができて大満足です。
空港から宿までのアクセス


エアーズロック空港(AYQ)から宿泊先のエアーズロック・リゾート(Outback Hotel & Lodgeを含む)までは、車・バスでわずか約10分ほどの距離。
空港に到着後、荷物を受け取って案内に従えば、AAT Kingsが運行する無料シャトルバスにそのまま乗ることができます。
予約不要で往復ともに利用できるので、初めて訪れる方でも安心です。


バスは空港を出たすぐの場所で待機しており、各ホテルに停車してくれます。
出発前に、バスの横の看板に書かれている行き先をよく確認しておいてください。
私が乗ったバスはかなり年季が入っていて(なんと総走行距離67万キロ越え!)、フロントガラスにヒビが入っていたのもご愛敬(笑)。
こうした「オーストラリアらしさ」を感じられるのもまた旅の思い出になりました。


チェックイン


今回は公式ページから事前に予約をしており、Booking Confirmationのメールを事前に受け取っていたので、チェックインはスムーズに完了しました。
海外の宿泊手続きでは思わぬハプニングが起こることもありますが、ここでは全く問題ありませんでした。
あわせて、翌日の飛行機に備えてこのタイミングでシャトルバスのダイヤを確認しておくことをおすすめします。
宿からエアーズロックへのアクセス


今回はあらかじめ Tripadvisor 経由でウルル現地ツアーを予約していたので、集合時間になったら宿泊先の待ち合わせ場所へ行き、ツアーバスにピックアップしてもらうだけでした。
ただ、出発直前に気づいたのですが、飛行機の到着時間とツアーの出発時間の間隔がかなり短く、もしフライトが遅れていたら参加できなかった可能性も…
少し遅れる可能性があることを事前にツアーガイドに連絡をしており、結果遅れなかったのでことなきを得ましたが、これから行かれる方は、ツアー開始時間には余裕を持たせるのがおすすめです。
ホテル到着後、ツアー前に少しだけ時間があったので、リゾート内のOutback Kioskでハンバーガーとチップス、そしてビールを購入。
パティが肉厚で想像以上に美味しく、オーストラリアらしい豪快な味を楽しめました。






部屋と設備について
今回宿泊したのは Outback Hotel & Lodge のドミトリータイプの部屋。
横長の部屋に二段ベッドがずらりと並んでいるだけのシンプルな造りです。
冬(8月初旬)に訪れましたが、夜も冷え込みすぎることはなく、備え付けのブランケット1枚で十分快適に眠れました。
シャワーは別棟にあり、共同利用のスタイル。
区切りのある簡素なブースが並んでいるだけなので、日本のホテルのような「お風呂」をイメージして行くと少しギャップを感じるかもしれません。
それでも清潔に保たれており、観光がメインの短期滞在には十分でした。
オーストラリアが満喫できる夕食


ツアーを終えた後は、Outback BBQ & Barで夕食をいただきました。
ここは生肉をカウンターで購入し、自分たちで備え付けのグリルで焼くスタイル。
オージービーフはもちろん、カンガルーのソーセージなどユニークな食材もあり、まさにオーストラリアならではの体験型レストランです。


価格は30〜50AUD程度と食事としては少し高めに感じるかもしれませんが、旅の思い出としては十分に価値あり。
宿泊代とほぼ同額ですが、立派なお肉なので、全然安いくらいです。
自分で焼き加減を調整できるのですが、これが意外と難しい…外側にしっかり焼き目をつけたら、ちょうど良い仕上がりになりました。
オーストラリア生活経験者としては「これは完璧!」と自画自賛(笑)。



こんなワイルドな夕食もいいですね
これだけでもまた行きたくなります


さらに、サラダバーは取り放題。
焼きたてのお肉と一緒に盛り付けると、豪快で満足度の高い一皿が完成します。
観光で歩き回って疲れた体に、美味しいお肉とアルコールが染み渡り、最高の夕食になりました。


周辺の観光


宿から歩いて数分の場所には、Imalung Lookout(イマルング展望台) があります。
小高い丘の上に設けられた展望スポットで、Outback Hotel & Lodgeの宿泊者なら気軽にアクセス可能。
私が訪れた時はちょうど満月で、明るすぎて残念ながら天の川は見られませんでしたが、全く音がなく、月以外の灯がない、なかなか味わうことができない夜景を楽しむことができました。
また、リゾート内には巡回バスが走っているので、気軽にギフトショップへ行けます。
お土産の選択肢も豊富で、先住民の文化にまつわる小物やブーメラン、マグネットなど一通りのお土産が販売されていました。
私は記念にナンバープレート型のプレートを購入しました。オーストラリアやニュージーランドでは定番のお土産らしく、旅の記憶が詰まった一生の宝物になりました。
ツアー体験記|サンセット付きのウルル少人数グループツアー


ウルル・エアーズロックとは?
ツアー中のガイドからや、オーストラリアの大学で習ったことをもとに少しだけ紹介すると、ウルル・エアーズロックは、オーストラリアのノーサンテリトリー州にある、世界で二番目に大きい一枚岩です。
その高さは約348メートル、周囲約9.4キロに及びます。
さらに大部分は地中にも続いており、まるで氷山のように地下に隠された巨岩だと言われています。
この巨大な一枚岩は「アルコース」と呼ばれる種類の砂岩でできており、長石や石英を多く含むのが特徴です。
本来は灰色に近い色をしていますが、表面の鉄分が酸化することで赤茶けた色合いになり、特に朝日や夕日に照らされると燃えるように輝いて見えます。
写真や映像で目にする真っ赤なウルルは、この独特の地質が生み出しているのです。
また、この岩には「Uluru(ウルル)」と「Ayers Rock(エアーズロック)」という二つの名前があります。
Uluru は先住民の言葉で、長い間使われてきた伝統的な呼び名。一方、Ayers Rock はその後につけられた名称です。
1993年に両方を併記する形が導入され、2002年からは「Uluru / Ayers Rock」と表記するのが正式となり、現在では公式の場面では Uluru が優先して使われています。
両方同じ場所を指している、と理解しておけば十分だと思います。
こうした、ただ大きな岩があるだけではなく、文化的な背景が重なり合っていることこそが、ウルルを観光名所にとどまらず、学びや気づきを与えてくれる特別な場所にしているのだと感じました。
この記事では、その思いも込めて「ウルル」という名称を使って紹介しています。


また、宿泊や観光の拠点もあるウルルの周辺地域は「Yulara(ユララ)」と呼ばれています。
ウルルのすぐ近くにある小さなリゾートエリアで、ホテルやロッジ、スーパーやレストラン、ツアーデスクなどが集まっている場所です。
観光客はほぼ全員ここに滞在するため、実質的にはウルルの町のような存在になっています。
名前だけ聞くとややこしく感じますが、実際に訪れるとここがウルル観光の拠点であることとすぐにわかると思います。
さらに、ウルルに登ることについても触れておきます。かつては観光客が岩に登ることができましたが、環境や安全、文化的背景から「登るべきではない」という議論が長年ありました。ガイドによると、登山による岩肌のすり減りや廃棄物がたまることで水源が汚染される問題、さらには1950年代以降30人以上が登山中に亡くなったという安全上のリスクもあったとのことです。そして何より、ウルルは先住民のアナング族にとって神聖な場所であるため、2019年をもって登山は禁止となりました。
ツアー開始!


参考までに、今回参加したツアーは、Tripadvisorの「サンセット付きのウルル少人数グループツアー」。
ピックアップ時間は14:30であり、ちょうどくらいの時間にホテルの表側で待っていたら、ツアーのバスが到着しました。
オーストラリアでのツアーに参加したら定番のように乗る小型バスに乗車し、早速スタートです。


まず向かうのは Uluru-Kata Tjuta National Park。
リゾートを出てしばらく何もない荒野を走っていくと、前方に見えていたウルルがみるみる大きく迫ってきます。
その存在感に、車内も少しずつざわめき始めました。


途中、見晴らしの良いポイントで小休憩。
雲ひとつない青空と赤土のコントラストは圧巻で、まさにオーストラリアの大地に来たという実感が湧いてきます。
さらに、今回のツアーではウルルの外周に沿って整備されている道に沿って、一周ぐるりと回りました。
岩壁の形状や色合いが見る角度によって全く異なり、ただ同じ岩を見ているだけなのに次々と新しい発見があります。
ただし、一部のエリアは先住民にとって非常に神聖な場所であるため、車内からの撮影すら禁止されていました。
こうしたルールを尊重しながら巡ることも、この土地を訪れるうえで大切なポイントだと感じました。
赤土の峡谷を歩く|Kantju Gorgeで出会う大迫力のウルルと水の痕跡


駐車場から赤土の道を歩き始めると、目の前に迫る ウルルの岩壁がどんどん鮮明になってきます。見る角度が少し変わるだけで、凹凸の表情がまったく違って見えるのが印象的でした。
駐車場では、セグウェイのオフロード版のような乗り物で移動しているツアー客もいて、「次に訪れるときはぜひ体験してみたい」と思うほど楽しそうでした。


私が訪れたのは冬の時期。気温は30℃を下回り、ハエもほとんどおらず快適に歩けましたが、空気は非常に乾燥していました。ガイドからは「1時間に約1リットルの水分補給が必要である」と説明を受け、夏場は特に脱水のリスクが高いとのことでした。



ツアーバスには大量のペットボトルが積まれていましたが、訪問時には必ず十分な水を持ち歩きましょう。
特に夏は直射日光と乾いた風で水分が一気に奪われるため、こまめな水分補給が欠かせません。


道中には小さな洞窟のような場所もあり、壁面には古い絵が残っていました。
現地の説明によれば、これは先住民によるロックアートで、かつての生活や信仰に関わるものだそうです。
歴史の痕跡を直に目にする特別な体験でした。




数十分歩くと、目的地の Kantju Gorge に到着。
ここは名の通り峡谷になっていて、垂直に切り立った ウルルの岩壁に囲まれています。
雨季には頂上から滝が流れ落ち、谷の底に水がたまりますが、乾季には水が枯れて跡だけが残ることもあるといいます。
私が訪れたのは冬(乾季)でしたが、幸運にもまだ水が残っていました。
岩肌を流れた水の跡が銀色に光り、谷の底には静かに水がたまっていて、乾燥した赤土の大地の中ではとても特別な光景でした。
神話と文化が息づく|Kuniya WalkとMutitjulu Waterhole


Kantju Gorge を後にして向かったのは、Kuniya Walk と Mutitjulu Waterhole。
ここはウルルの中でも特に文化的な意味が強いエリアで、先住民の神話と深く結びついています。
Kuniya Walk|神話が刻まれた道
Kuniya Walk は、ウルルの南側に位置する比較的短いトレイルです。
道自体は歩きやすく、ガイドとともに進みながら先住民の物語や自然の成り立ちについて学ぶことができます。
この場所には、Kuniya(ニシキヘビ)と Liru(毒ヘビ)の戦いという有名な伝承が残されています。
岩肌にある割れ目や模様は、その戦いの痕跡を表しているとされ、自然の形ではありながらも物語を刻んだ証として 先住民によって受け継がれてきました。


途中で目を引くのが、洞窟のように大きくえぐられた岩陰。
まるで波が押し寄せたように滑らかに削られており、自然の造形美を強く感じる場所です。
これは長い年月をかけた風や雨の浸食によるもので、先住民の人々にとっては雨風をしのぐシェルターや儀式の場として使われてきた特別な空間だそうです。
自然の造形美と文化的な意味合いが重なり合う、Kuniya Walk のハイライトのひとつでした。
Mutitjulu Waterhole


Kuniya Walk の終点にあるのが Mutitjulu Waterhole。
ウルルのふもとにできた自然の水場で、乾燥地帯において 先住民の生活を支えてきた貴重な水源です。
ただし、この水場は常に水があるとは限りません。私が訪れた冬の時期には残念ながら水はなく、静かな岩の窪みだけが広がっていました。
しかし、岩壁の裂け目や地表には、かつてウルル上部から水が流れ落ちてきた痕跡がはっきりと残っており、雨が降った後には滝のように流れ落ちてくるのだろうと想像できました。
周辺の岩壁には ロックアートも点在しており、そこには狩りや生活の様子、伝承が描かれています。
これらは単なる観光の見どころではなく、先住民の子孫にとって今も文化的・精神的に大切にされているもの。
ガイドからその背景を聞くことで、この場所をただ眺めるだけでは得られない理解が深まりました。
ウルルの夕日鑑賞|Talinguṟu Nyakunytjakuで体感する感動の瞬間


ツアーの最後に訪れたのは、Talinguṟu Nyakunytjaku(タリンガル・ニャクンチャク)という展望エリア。
ここはウルルのサンセット鑑賞の定番スポットで、ウルルだけでなくKata Tjuṯa(カタジュタ)の方向まで見渡せる広大な景観が魅力です。
開放的な場所なので他のツアー客がいても比較的閑散としており、少し歩けば人混みを避けて落ち着いて夕日を眺められる場所もありました。


ガイドが用意してくれたのは、スパークリングワインとシンプルな軽食。
パンとチーズ、オリーブオイルという素朴な組み合わせですが、目の前の絶景と一緒に味わうと何倍にも贅沢に感じられました。


太陽が西に傾くにつれて、ウルルの岩肌はオレンジから濃い赤へ、そして最後には影に溶け込むように紫色へと変化していきます。
写真で見たことはありましたが、実際に目の前で色が刻一刻と変わる様子を体感すると、その迫力と神秘さに圧倒されました。
ウルルを形作る岩石には鉄分が多く含まれており、表面が酸化することで赤茶色になっています。
そこに夕日の光が重なることで、さらに深い赤へと染まり、まるで夕日の何倍も強く燃えているかのように見えるのです。


夕方になると気温は下がり、澄んだ空気に包まれて景色もさらにクリアに。
夏は暑さやハエの多さで大変だと聞いていたので、冬に訪れたのは正解だったと感じました。


サンセットを終えてバスに戻るとき、空を見上げると、日が沈んだばかりの空に早くも星が輝き始めていました。
あまりの美しさに、「人生で一度は訪れるべき場所」だと改めて実感。
この日の入りまでの一瞬は、まさに今回の旅のハイライトとなる、忘れられない体験でした。
翌朝の日の出|Uluru Lookout からの眺め


翌朝はツアーを入れていなかったので、宿泊していたリゾートから歩いて行ける、少し小高くなった 「Uluru Lookout」 へ向かいました。
ホテルからおよそ1kmほどとアクセスが良く、気軽に早朝の散歩気分で訪れられる場所です。


午前6時前にホテルを出発し、15分ほど歩いて展望台に一番乗りで到着。
到着時には空がうっすらとオレンジ色に染まっていましたが、待っているうちに美しいグラデーションへと変化していきました。


広々とした展望エリアからはウルルが正面に見え、太陽の光を浴びるにつれてそのシルエットがくっきりと浮かび上がり始めました。
日の入りとは逆に、東から差し込む光に照らされたウルルは赤土の色が徐々に明るくなり、オレンジからピンクがかった黄金色へ。
暮れとは異なる、清々しく静かな雰囲気に包まれ、1日の始まりにこの景色を見られるのは本当に贅沢だと感じました。
ツアーに参加しなくても無料で楽しめるスポットなので、宿泊者にはぜひおすすめしたい朝の過ごし方です。


さらに、展望台からはウルルの右手にカタジュタも望むことができます。
今回は1泊2日の短期滞在だったため訪れることはできませんでしたが、もし2泊できるなら、サンセットのウルルに加えてカタジュタも巡ればより充実した旅になると思います。
ウルルへ行く時に準備しておいた方がいいもの


ウルルは都市部とはまったく環境が異なり、乾燥や気温差が激しい場所です。
私自身も実際に行って持っていってよかったと思ったもの、逆に現地で必要だと気づいたものがありました。ここでは、ウルル旅行を快適に楽しむためにおすすめの持ち物を紹介します。
日よけ対策グッズ(帽子・サングラス・日焼け止め)
ウルルの日差しは想像以上に強烈で、真冬でも日焼け止めだけでは全然足りないと感じました。
特に日中の散策では、帽子は必須です。
冬でもハエがいますので、顔周辺を守るという意味でも帽子は忘れずに持っていってください。
トレッキングシューズ or スニーカー
ウルルの周辺は赤土の道や岩場が多いため、歩きやすい靴が欠かせません。
アウトドア用のトレッキングシューズか、クッション性の高いスニーカーがおすすめです。
また、赤土は一度付着すると全く汚れが取れませんので、汚れてもいい格好でいくことを強くおすすめします。
飲み物
ウルル観光では 飲み物の持参が必須 です。
乾燥した気候と強烈な日差しの中では、気づかないうちに体から水分が奪われていきます。
ガイドからも「1時間に約1リットルの水分補給が必要」と言われるほどで、特に夏場は脱水や熱中症のリスクが非常に高まります。
リゾート周辺を離れると飲料水を購入できる場所はほぼないため、必ずリゾート内のスーパーや売店で事前に水を購入しておきましょう。
観光中に持ち歩く用として500mlペットボトルを数本、あるいは水筒を用意しておくと安心です。
なお、飛行機には液体の持ち込み制限があるため、日本から水を持って行く必要はありません。
現地で調達するのが現実的で確実です。
ポケットWi-Fi
海外旅行では、日本で普段使っているSIMカードは基本的にそのまま使えません。
もちろん現地でSIMを購入する方法もありますが、英語での手続きや設定が必要になり、初心者にはハードルが高いのが実情です。
そこでおすすめなのが、日本からレンタルして持っていけるポケットWi-Fiです。
出発前に空港で受け取り、帰国後に返却するだけなので手続きも簡単。
複数人で旅行している場合でも1台あれば全員でシェアでき、結果的にコストパフォーマンスも良いと思います。
まとめ|人生で一度は訪れたいウルルでの感動体験


オーストラリアの内陸部にそびえる世界遺産 ウルル・エアーズロック。
今回はメルボルン発の1泊2日という短い旅でしたが、澄み渡る空の下でその雄大な姿を目にし、忘れられない体験となりました。
出発前は「遠いのでは?」「費用が高いのでは?」と不安に思っていましたが、実際にはメルボルンから直行便で約3時間半。
日本からもシドニーやメルボルン経由でアクセス可能で、思っていたよりも簡単に行けます。
宿泊施設は限られているものの、早めに予約すれば問題なく滞在可能。
さらに現地ツアーを利用すれば効率よく観光を楽しむことができます。


特に心に残ったのは、夕日に照らされて刻一刻と色を変えるウルルの姿。
真紅に輝く巨大な一枚岩は、写真や映像では決して伝わらない迫力があり、まさに「人生で一度は訪れるべき景色」だと感じました。
また、リゾートで楽しんだ自分たちで焼く豪快なバーベキューも、旅を彩る大切な思い出です。
「写真で見たことのある絶景」を実際に自分の目で確かめられるのが、ウルル旅行の最大の魅力。
シドニーやメルボルン観光と組み合わせれば、日本からでも十分に現実的なプランを立てられます。
もし少しでも「ウルルに行ってみたい」と思っているなら、ぜひ一歩踏み出してみてください。
一生の思い出になる体験が、オーストラリアの大地であなたを待っています。







