【Sigma 40mm f1.4 Art】重さ以外ほぼ完璧な単焦点レンズのレビュー【本気でおすすめしたいレンズ】

オーストラリアに来て約半年くらいの頃に、シグマ社から発売されている 40mm F1.4 DG HSM を買いました。

重くて大きいけど、写りが半端ないことを知ってメルボルンのカメラ屋さんに在庫を尋ねてみたところ、1つあるということで衝動買いしてしまったレンズです。

買って半年以上経ちましたが、今となっては手放せないレンズとなりました。

今回はそのシグマレンズの紹介と僕が実際に撮ったメルボルンの風景を載せたいと思います。

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シグマのレンズ 40mm F1.4 DG HSM を買う

本当は、今は廃盤の Carl Zeiss Planar T 1.4/50mm ZF2 を欲しかったのですが、手になかなか入らないようなので諦めかけていたところ、この Sigma 40mm F1.4 DG HSM に出会いました。

どんな感じに撮れるのか気になって試し撮りしてみたところ、想像以上にキレがあるけど柔らかい写真が撮れることに感動しました。

D7200を使っていたときにタムロンのズームレンズは原因不明の故障するし、ニコン純正の安い35mmの単焦点レンズは思ったほど使いこなせなかったので、このレンズに出会う前までは純正のズームレンズで十分だと思っていました。

そこに現れたシグマの単焦点がそのネガティブな印象を払拭してくれました。色も綺麗だし、f値が1.4ということもあって明るいので衝動買いしてしまいました。

メインのD750にはキットレンズである 24-120 f4 を使っていたのでフルサイズの f1.4の世界に圧倒されました。手ぶれ補正とかは無いけど、明るい分シャッター速度が早くできるので問題ないと思うようになりました。

40mmという、広角単焦点の定番である35mmと標準単焦点の定番である50mmの中間というなんとも言えない焦点距離を持った個性的なレンズです。普通とは違ったものがいいという方は試してみる価値が大いにあると思います!

メーカーが公表しているスペックはこんな感じです。

レンズ構成枚数12群16枚
画角(35mm判)56.8°
絞り羽根枚数9枚 (円形絞り)
最小絞りF16
最短撮影距離40cm
最大撮影倍率1:6.5
フィルターサイズφ82mm
質量1,200g(シグマSAマウント)
希望小売価格160,000円

(出典: https://www.sigma-global.com/jp/lenses/cas/product/art/a_40_14/features/

40mmという画角で最短撮影距離が40cmなので、料理を撮るのにも便利なレンズです。ただ、めっちゃ近寄って撮影するといった用途には不向きなので、別にもう少し焦点距離の長いレンズやマクロレンズが欲しいと思うこともあります。

重さが約1.2kg(フードを合わせると1.3kg越え⁈)ということもあり、一日中持ち歩くと手首の筋肉痛に襲われるのが最大の難点です。バランスが悪いところでカメラを支えきれないと手の微振動で写真がぶれてしまうのも重さがあるが故のデメリットです。

フィルターサイズが82mmであるというところからもかなり大きめのレンズ径であることがわかると思います。レンズ径が大きいとフィルターも値段が高くなるので、気軽にレンズフィルターの買い足しも厳しくなりますね。ただ、この大きいレンズ径のおかげで明るい写真が撮れるので仕方がないですね。。

値段も他の40mmの単焦点ならもっと安く手に入るようですが、シグマのARTシリーズという高性能レンズのラインナップの一つなので仕方がないと思います。僕はオーストラリアでこのレンズを1350ドル(10万いかないくらい)で手に入れることができたので、海外で買うのもレート次第ではかなりお得に入手することができます。

早速開封していきましょう!

箱はこんな見た目です。特に何も変哲のないデザインですね(笑)

レンズはこのようなケースに入っています。高級レンズという感じがします。ケース自体は意外と大きくて長方形型なので、持ち運ぶのには不便かもしれません。。

レンズキャップは結構角が尖っています。皮財布と一緒にポケットに入れると皮などを傷つけてしまうので注意が必要です。

マウント部分の写真です。金属がふんだんに使われて作られているので高級感がかなりあります。ニコン用はの電磁絞りに対応しているそうです。

マウントの下の部分も金属でできており、見た目がとにかくカッコイイです。

オートフォーカスとマニュアルフォーカスの切り替えスイッチが側面についています。その上にシグマ製アートレンズの証であるAのマークが光っています。

上の写真のフードの左側がラバー素材になっており、ホコリなどのゴミが付着しやすいのが難点です。フード自体にロック機構がついており装着すると「カチッ」という音が聞こえるので、外れる心配がほとんど無いのがありがたいです。溝だとすり減ってきてしまいますからね。。

メリットとデメリット

メリット

  • f1.4のボケ感が味わえる

初めてこのレンズを手にしたときに思ったのですが、前ボケも後ろボケもキレはあるけど柔らかく写るのがとにかく気に入りました。焦点を当てたものが浮き出てくるような印象があり、目では見れないような風景を描写してくれます。

  • キレと柔らかさの両方がある

キレがあるレンズで柔らかさを出すのは難しい(?)と思いますが、このレンズは両方の特徴をしっかりと兼ね備えていると思います。ニコン純正の 24-120 f4 を使っていたときには、拡大するとなんかぼやけていて焦点がどこにもあっていないということも多発していたのですが、このレンズはその心配がほとんど要りません。

  • 40mmという画角

上でも書きましたが、ワイドでは無いけど、50mmほどは切り取られないこの絶妙な焦点距離が気に入っています。映画ではこの40mmという画角が定番らしく、スチルの定番画角とはまた一味違った写真が楽しめるのがいいですね。

  • 単焦点入門にも意外といいかも?

大きくて重いこのレンズなのですが、適当に撮るだけでも絵になってしまうので、もっともっと写真を撮りたいと思わせてくれるレンズです。僕はこの Sigma 40mm F1.4 DG HSM が2本目の単焦点だったのですが、このレンズを使ったことで「写りはズームより単焦点が圧倒的」と言われる理由が分かりました。柔らかい描写がしっかりでき、雰囲気の良い写真をとることが出来るのでやわらかい写真を撮りたい人にはお勧めしたいレンズです。

  • 作りがしっかりしている

マウント部分はもちろん金属になっており、真鍮製なので重いレンズでもしっかりとカメラに固定されます。ガタつきもほとんど無いので安心ですね!ボディー部分も金属製になっており、見るからに頑丈そうです。見た目の高級感もかなりあるのでカメラが一層カッコ良く見えてきて撮るモチベーションも上がります。

  • 色が綺麗

このレンズに変えただけで対象物の発色が綺麗になったような気がします。それでいても何となくレトロな雰囲気さえ出るような物凄いレンズだと感じています。オールドレンズを使わなくても「古い感じ」を出すことができるのでかなり気に入っています。さらに、解像力が高いのでレトロな雰囲気を出しつつも拡大しても綺麗にぼやけずに写るのが大きな魅力だと思います。

デメリット

  • 望遠レンズでは無いのにとにかく重い

良い写真を撮るためには仕方がないかもしれませんが、とにかく重いです。僕が今メインで使っているD750と合わせると2kgを超えてくるので機動力は若干落ちてしまいそうです。だけど、この大きくて重いレンズのおかげで味のある写真を比較的簡単に作れてしまうので、僕の中ではデメリットよりメリットが大きいように感じます。右手だけで撮影しようとすると手が若干震えます(笑)

  • 対象物の距離によってピントが若干ずれる

大口径のレンズ故のデメリットらしいのですが、ファインダーではピントを合わせたはずの場所とは少し手前・奥にピントが合ってしまいます。ニコンの場合、カメラ側の「AF微調節」から調整することはできますが、対象物の距離によってもピントの前後が変わってきてしまうのでこの特性に慣れてしまうしかないのかなと感じています(ちなみに個別レンズの登録は-11に設定しています)。

  • 手ぶれ補正はない

単焦点レンズでは当たり前なことなのかもしれませんが、ニコンの手ぶれ補正付きズームレンズの 24-120 f4 を使っていた僕は、手ぶれ補正なしに慣れるのに少し時間がかかりました。しかし、これのおかげでカメラの練習にもなりましたし、絞りを自分で調節して写真を操る感覚を楽しむことが出来るようになりました。それまではプログラムオートで撮っていた僕も今では必ず絞り優先モードで撮っています。F値が小さいレンズだからこそ、絞りの値を変えて写真を撮る楽しさに気付くことができました。

  • 四隅が暗くなる(周辺減光が大きめ)

絞ってしまえば気にならなくなりますが、f 1.4 ~ 2.8 あたりでは四隅が少し暗くなってしまう印象です。そうは言っても不自然な暗さではなく、良い雰囲気を出してくれるので逆にこのデメリットは気に入っています。Lightroomを契約してさえいればレンズ補正をかけることができ、四隅の暗さも自在に操れるのでほとんど心配不要です。気になる暗さというよりも雰囲気づくりに貢献してくれるの周辺減光なので、あまり深刻には考えていません。

  • モーターの駆動音が意外と大きい

正直、外部マイクなしでの動画撮影はキツイと感じました。ピントを合わせるたびに「カタカタ」音がするのでカメラの内蔵マイクだとこの音を拾ってしまいます。また、ピントリングが動くときにもモーター音が多少するので動画撮影メインで考えている人は実際に試し撮りすることを強くおすすめします。

作品例

ここからは僕(素人ですが。。)が実際に撮影した写真を載せていきたいと思います。

メルボルンと言ったら美味しいコーヒー!ということで、、

レンズを買ったばかりの頃に撮影したのですが、このとろけるような描写に感動しました。Lightroomで四隅の補正はかけましたが、それ以外はほとんど調整していません。フラットホワイトのこのラテのふわふわな雰囲気がしっかりと再現されていると思います。奥のボケも不自然ではなく、f 1.4ならではの世界が出ているのでこのような写真もありなのかなと思います。ただ少しボケすぎな気もするので、今ならF値は2.2で撮ると思います。この辺の値が最も綺麗に写ると感じています。

メルボルンではあらゆる国の料理を食べることができます。これはマレーシア料理屋さんに行った時の写真です。初めて食べる味だったのですが、意外と美味しかったというのが率直な感想です。このシグマレンズはある程度の大きさの料理を撮るのには最適だと思います。解像力が高いので多少のクロップにも十分耐えれるので、単焦点なのに使い勝手が結構良いです。便利なので40mm一本で出かけることも結構あります。

夏のカールトンガーデンです。後ろに見えるのが王立展示館です。半逆光の条件下で撮った写真なのですが、フレアやゴーストもほとんど出ていない印象です。奥の葉にフリンジが出てしまっていますが、許容範囲だと思います。(消したかったらLightroomで編集できますし。。)葉っぱの裏側って色が薄くなかなか写真映えしないことが多いと思いますが、このシグマ40mmレンズを使うことで発色がよく出るので綺麗な写真を撮ることができます。このレンズを使うことで撮れる世界が変わります。

メルボルンにある雑貨屋さんです。レトロな雰囲気を出すにはこのシグマレンズが完璧です。絞りをコントロールすることによって世界観の作り方が本当に自由になります。暖かみと冷たさを同時に表現するのが得意だと感じています。室内でも外の青空による青さが結構表現されるので、これの好みは人それぞれになりそうです。周辺減光もこのような古い雰囲気を作り出すには最適だと感じています。不自然な暗さでないので「むしろあったら嬉しい周辺減光」とも言えますね!

やっぱり料理を撮るのに場面にぴったりですね。撮るときの絞りの調節に悩みますが、美味しそうな雰囲気を手軽に再現しやすいなと感じています。黄色も結構出ているので暖かみのある写真を撮ることもできます。

おわりに

今回はシグマから発売されているArtシリーズレンズ、40mm F1.4 DG HSMを紹介してみました。

これを使うことで単焦点の楽しさがわかると思います。気になっているけど買うのを躊躇っているという方はぜひ一度試し撮りをしてみてください!

この記事には載せていないのですが、人物撮影にもかなり使えるレンズだと思います。瞳自動認識機能があるミラーレスと組み合わせたらよりこのレンズの長所がより生きてくると思います。

40mmという画角や、f 1.4 の世界に興味がある方には本当にお勧めしたいレンズです!

シグマSAマウント・ニコンFマウント・キヤノンEFマウント・ソニー Eマウント・Lマウントに対応しているので使っているカメラメーカーに合わせてチェックしてみてください!

僕は今現在D750を使っています。新しいニコンの一眼レフであるD780と組み合わせるのも良さそうですね。ライブビューがZ6相当まで使いやすくなったようなのでめっちゃ気になります。。。

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