TEDを使ったアカデミックな英語の勉強法を紹介します

皆さんは、今までTEDというものを見聞きしたことはありますか?テレビでも放送されているので、知っているという方もいると思います。

TEDではたくさんの優良なプレゼンテーションを観る事ができるので、英語学習には最適なツールなのです。

世界中の専門家たちがTEDで公演しており、私達はその学術的(アカデミック)なプレゼンテーションを無料で聞く事ができます。

世界的な経営者や教育者などの有名人の公演を無料で聞ける、しかもそれを通して英語の勉強までできるTEDを使わないわけにはいきません。

今回は、そんなTEDを使った英語の勉強法を紹介していきます。

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TEDを観る方法

まずはじめにTEDはどのようにしたら観れるのかについて解説していきます。

TEDを最も気軽に観る事ができるのが、インターネットの公式サイトから見る方法だと思います。

英語サイト日本語サイトがありますが、英語サイトの方がたくさんの公演があるのでそちらを使うことをオススメします。(日本語サイトなら字幕に対応した動画がたくさんあります。英語サイトでも一部の動画は日本語対応です。)

他には、TED公式アプリが出ているので、それを使って見る方法もあります。僕はアプリが一番使いやすいと思っています。日本語字幕に対応した動画もたくさんあるので、難しい内容の動画でも訳を確認しながら学ぶこともできますよ。

iPhoneアプリは以前は有料だったと思うのですが、現在は無料でダウンロードする事ができます。

TED
TED
開発元:TED Conferences LLC
無料
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TEDを使って英語を学ぶ

TEDの強みはアカデミックなプレゼンを観る事ができることだと思います。また、アカデミックなプレゼンを英語で聞くと、留学しても使える英語力を身につけることができます

事実、TEDにはレベルの高いプレゼンがたくさんあるので、勉強するのが難しい英語のプレゼン術を学ぶこともできます。

僕は留学後の授業で簡単なプレゼンをする機会もあったのですが、それを通して分かりやすく物事を伝えるのはとても難しいことだと実感しました。聞き取りやすく明確にプレゼンをするとは何なのかを学び、お手本を観て学べるTEDは留学生にもかなり役立つツールだと思います。

TEDの内容は専門的で難しいものが多いので、どう勉強したら良いのかわからないという人もいると思います。なので、ここでは僕が普段どのようにしてTEDを使って英語を勉強しているかについて簡単に書いていこうと思います。

TEDで話されている英語はアカデミックな内容が多いので、僕は基本的に、日本語字幕が用意されている動画を観ています。とは言っても、日本語字幕に頼ってばかりいては英語の勉強には全然ならないので、日本語字幕なし→字幕あり(→字幕なし)の順で観るようにしています。時間があれば、3回目の字幕なしでもう一度観るようにしています。

この順番にしている理由は、先に字幕ありを観てしまうと、内容が理解できすぎてしまうので英語の勉強に全然ならない上、次の字幕なしもいい加減になってしまうからです。なので、先に字幕なしでプレゼンで使われている英語表現や単語を可能な限り拾って理解しようとしながら観た後に、答え合わせ感覚で日本語字幕ありにして観るようにしています。

2回目の字幕ありを観たときに思っていた内容と全然違った場合は、もう一度字幕なしで動画を見返すようにしています。

これが僕のTEDの使い方です。どの動画もある程度一発で理解できるようになったら(自分はまだまだ全然です。。)、海外大の授業もスムーズに理解できると思います。

このように、日本語字幕をうまく活用しながら動画を見ると、英語力アップにつながると思います。

留学前で日本にいる方は、TEDを使って可能な限りアカデミックな英語に触れておくと、留学後での授業をスムーズに理解できるようになると思うので、この勉強法を試してみてください。

本当に、日本にいるときは可能な限り英会話だけではなく、講義で使われる英語を少しでも知っておく事が重要だと強く感じます。

ここからはいくつかTEDの動画を紹介していきます。

実際に観てみよう!

Doctors make mistakes. Can we talk about that?

まずはじめにこの動画を観てみてください。医師(physician)であるBrian Goldmanさんによるプレゼンです。TEDで行われている公演がいかに凄いかがわかると思います。

動画の右下のメニューからあらゆる言語の字幕を選ぶ事ができますよ。

まずはじめに野球選手と医師という全く異なる職業の話をしています。これは例え話でより身近で実感しやすい打率の話を使って聴衆を引き込んでいます。次にその打率と治療の成功率の比較をしています。お医者さんによる治療の成功率が野球選手の打率と同じようならば大問題であるという、当たり前すぎてなかなか日常では深く考えられてはいないトピックについて語られています。そこではさらに、医者には何割の成功率で優秀だと認められるという基準がないことを指摘しています。

動画の3:15あたりで “Brian Goldman would study for a blood test” という表現があります。初めて聞いたら一瞬理解に困るかも知れません。日本語に訳してみると「Brian Goldmanさんは血液検査の対策するために勉強しそうなほど真面目な人だ」という意味合いになりそうです(動画の字幕では「血液テストのためにテスト勉強しそうだ」と日本語訳されていますが、少し分かりにくいと思ったので意訳しました)。つまり血液検査というそもそもテストではないものまで何もかもについて勉強しそうな勤勉な方であるという意味になります。

この一文から分かる通り、英語だからできる韻の踏み方があり、それを理解できないとここでの話がジョークであったかどうかすら気づけないことになりかねません。また、日本語字幕で「血液テスト」と言われてもなんのことかが一瞬分からなくなり、「そんなテストがあるんや」としか感じる事ができないかも知れません。なので、僕はまずはじめに英語(+英語字幕)で見ることにしているます。

その例え話を交えた冒頭文の次に話されているのが、Brian Goldmanさんが医師という職業についていることを通じて経験した「失敗談」についてです。そこでは研修医時代に患者さんを診療した後に、必須である担当医への報告をしなかった結果、その当たった患者さんは再度病院に運び込まれ、9日後に亡くなってしまったというエピソードについて語られています。

そこで登場するattendingという単語は普段あまり馴染みのない意味で用いられています。そもそもattendingとは出席する・参加するという意味で用いられる事が多いですが、ここでは主治医担当医(動画の字幕では「指導医」)という意味で使われています。これが動画を見るときに2回目で日本語字幕を付ける理由です。このattendingという単語は動画内で何度も使われていますが、指導医という意味が分からないと話の辻褄が合わなくなってしまいます(僕は途中で一瞬なんのことかが分からなくなりました)。なので、2回目に観るときに日本語字幕をつけるとより正確に内容が理解でき、自分の誤解にも気づくことができます。

このような理由により、先に英語(+英語字幕)で観た後に日本語字幕をつけて観るのが英語の勉強に最適だと思います。この動画は医療という難しいジャンルなので、知らない単語も多く出てくると思います。「難しいから分からない」で終わらすのではなく、意味を理解し、学べる語法や表現技法を習得しようと努力するのが大切だと思いますので、この勉強法を試してみてください!

興味深い内容のプレゼンなので、もう少しだけ内容に触れされてください。

この動画のキーワードは “Do you remember?” です。

Brian Goldmanさんはこれを医者達が最も恐れるフレーズの一つだとおっしゃっています。過去の行動が過ちだということを暗示する、しかもその過ちはなかなか生かされないことを示す “Do you remember?”。

14:08あたりでBrian Goldmanさんは “It’s a complete denial of mistake”(失敗は完全に否定されてしまう)と医療現場の問題点を指摘しています。つまり、失敗が100%許されないという潜在的な医師の間で共有されている文化が問題であるということです。

失敗は報告されなくてはならず、報告されたらしっかりと次に生かされなくてはならない。

これがBrian Goldmanさんのメッセージであります。

最後に “I do remember” と言うセリフで締められています。”Do you remember?” の答えがプレゼンの一番最後に出ました。

これが、Brian Goldmanさんは今の医療現場で見られる悪い習慣を変えなくてはならず、彼自身が率先して変えていくと言う強い思いが込められたメッセージだと思います。

ここまで一本の動画について色々書いてみましたが、TEDの動画では素晴らしいプレゼンテーションを観ることができ、色々と考えさせられるようなことも学べると言う事が伝えたかったのです。TEDはただの英語勉強ツールではなく、人生の教訓さえ学べるのです

他にもいくつか紹介します。

This is what happens when you reply to spam email

「詐欺メールに返信すると何が起きるのか」と言う興味深いトピックを扱った公演です。3年間スパムメールに返信しまくっているJames Veitchさんによる非常に面白い公演です。僕が大好きなTEDのプレゼンの一つでもあります。

金塊の取引を装ったメールを題材にプレゼンが進んでいきます。

25キロの金塊では少ないから1トンほどは必要だ、と返信したところからどんどん話がおかしな方向に発展していきます。

儲けたお金は何に使うのか?と言う質問に対してJames Veitchさんは “Hummus”(フムス)と返信したようです。詐欺師の相手はこの質問に対して不動産投資に使うと真面目に言っているのにこんな馬鹿げた回答をしてみるという試みが非常に面白いです。

ちなみにフムスとは下のような料理です。

Hummusはゆでたヒヨコ豆をすってオリーブオイル、にんにく、レモン、胡麻などを混ぜたペーストで、中東からトルコにかけて広く食されています。これが欧米でも好まれるようになりました。呼び名は英語でも地域によってハマス、フマス、フンムスなど様々です。小さく切って軽くトーストしたピタパンやクラッカーなどにつけて食べます。

https://news.mynavi.jp/article/20130729-a007/

この後は相手はもうこんなやりとりはやめたいと思ったのか “I have to go to bed now. Till morrow” という返信が返ってきましたが、James Veitchさんは諦めません。

取引のメールには暗号を使わなければならないという事で、James Veitchさんはおもしろおかしく暗号を設定したところ以下のようなメッセージが届いたようです。

最後の文は「オオトカゲグミ経由で1500ポンドを送金してください」とあります。相手が真面目に暗号コードをつかった結果、意味不明すぎる返信が返ってきたので、James Veitchさんもこれを “The greatest email I have ever received”(過去一最高なメール)だと言っています。

詳しくは動画をぜひ観てみてください!文章ではなかなかこの面白さが伝わらないので動画を見るのが一番早いと思います。

このようにコメディアンのプレゼンも聴くことができ、TEDには楽しんで英語に触れることができる公演も数多くあるので、ぜひ色々探してみてください。

最後にもう一つだけ簡単に紹介します。

How the food you eat affects your brain

これまで紹介してきた動画とは少し趣向が違います。内容は「食べ物が脳に与える影響」についてなのですが、公演形式ではなく、絵を使ってナレーターさんが話す形式の解説動画となっています。

化学や生物で使われるような英単語が頻出なので、理解するのがなかなか難しいかも知れません。それでもまずはじめに英語のみで観た後に日本語字幕をつけてみて下さい。

日本語で聞くと「知ってる!」という単語もたくさんあると思います。なので、英語ではある物質はどう表現されているかを学ぶには最適な動画だと思います。

かなり分かりやすく、身近な疑問を解説してくれるので、ぜひ一度この動画も見てみて下さい!

おわりに

今回は、TEDを使って英語を勉強する理由と、それの活用方法について書いてみました。

僕がお勧めする動画も3つほど取り上げてみましたので、「どれを見るべきか分からない」という方はこの記事にある動画を観てみて下さい!

1回目は英語のみ。2回目は日本語字幕ありで観るのが最も効率よく英語を習得できると思います。

ぜひ試してみてください!

英語の勉強を一緒に頑張っていきましょう!

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